ここ何年か日本のウェブサイトに、「婚活」という言葉がよく見られます。日本は新しい言葉がどんどん開発されるから、キャッチアップが大変だ。
日本の若者は、相手探しに懸命に取り組んでいるようですが、それはこちらでも同じで、私のまわりの若い友人たちは「真の相手」を追い求め、あちこちのパーティーに出向いたり、かと思うと、当たると評判の霊感師にアポイントメントを取ったり、はたまた前世発見のためのセッションと、現実・非現実的に忙しく婚活しております。
ま、私も若い時には同じようなことをしましたから、批判するつもりも否定する気もなく、「せいぜいがんばって、散財してくれたまえ」と、応援してますが。
ところで、この私のエッセイに何度か登場しているように、私にはパートナーがおり、それも今年で五年半。「いいよね〜、お宅は安泰で」と婚活組に羨ましがられるものの、お互い仕事や家族の事情があり(別に不倫関係とかじゃないです、念のため)、籍も入れずに今日に到っておりましたが、この度その他モロモロの問題が片付き、やっと結婚のはこびに。
なぜアイルランドとスコットは、市民の間に来た
彼はバツイチで、結婚披露宴は既に経験済み。私は初婚とはいえ、いい加減ババアなので、今更ウェディングドレスもねえだろうし、それにここへ来て、全世界的に不況だから、お金をかけるのもアホらしいしよねと意見が一致し、一番経済的且つ簡単にできる、シティホールでのウェディングとなりました。
つまり、ニューヨーク市役所内のチャペルで、式を挙げるわけですが、シンプルでありながらとってもニューヨーク的で「クール」なため、私のまわりで結婚した友人たちのほとんどは、シティホールで結婚しています。
方法はいたって簡単。まずは、マリッジライセンス(婚姻許可書)を取得します。申請はオンラインで出来、料金はたったの$35。コンピューターがない人は、市役所のMarriage Bureauに直接行って、その場で記入も可。ただし申請後、出来上がったマリッジライセンスをもらうには、二人そろっていかないとなりません。
bushaポリッシュそれは何を意味している
私たちの場合は、前の晩にオンラインで申請し、翌日二人で取りに行きました。入り口で番号札をもらい、自分の番号が点滅するのを待つ。つまり、郵便局の順番待ちと同じ。呼ばれた窓口で身分証明をし、最終の事項を記入・サインの後、プリントアウトしてもらいます。何の変哲もない、ペラペラの紙切れ。有効期限は60日間。ただしもらったからといって、すぐに結婚は出来ず、24時間は待たないとならない。つまり結婚するのは、これをもらってから、24時間以上60日以内ということになります。
式を挙げるチャペルも、このMarriage Bureau内。部屋は二つありますが、色が違うだけ(他方が暖色でもう一つがブルー)。そんなに広いわけではないので、人数制限を聞くと係の人いわく、「好きなだけ、何人呼んでも結構。55人連れて来た人もいます」とのこと。予約の必要もなく、市役所の営業時間内の自分の都合のいい時に行く。その時空いていたらすぐだし、混んでいたら列んで待つ。ただし証人となってくれる人を一人、連れて行くこと。
ナイアガラ·フォールズオンタリオ結婚裁判所
私たちの場合は、仕事のスケジュールの関係で、式を挙げたのがマリッジライセンス取得から、ほぼ二ヶ月後。式は、「月曜の午前中が空いている」というだけの理由で、月曜朝10:00に決定。来てくれたのは、ビデオ撮影係の彼の弟、証人をお願いしたピートおじさん夫妻、亡くなった彼のお父さんの親友、それに私の友人二人の、合計六人。
到着後入り口でまたまた番号札をもらい、待つことしばし。呼ばれた窓口で私たち二人とピートおじさんが、指定された書類にサインをし、結婚式の費用25ドル也(安っ!)を払う。ここでチャペルが混んでいると列ぶわけですが、空いている時間を選んで行っただけあって、ガラガラ。受付の人に「どっちの部屋でもいいですよ〜」と言われ、ブルーの部屋を選ぶ。
中に入って写真などを撮っていると、さっきの受付のおばさんが入って来て、「おはようございます、でははじめます」
お互いを夫・妻として認めますかに「Yes, I do」と答え、指輪を交換してキスして、1ぷん30秒ほど(早っ!)で無事終了。すぐに発行された結婚証明書をもらい、メデタシメデタシ。
式の様子は、撮影してくれた彼の弟がyoutubeにアップしてくれたので、式に来られなかった(当たり前だ、月曜朝イチだ)友人たちにも、日本にいる友人や家族たちにも見てもらえました。すごいぞ、インターネット。
日本の友人の一人は、
「私たちのときは、バブルだったじゃない。全くあんなお金かけて大げさに披露宴しなくても、肝心なところだけこうやって押さえればいいんじゃんって、うらやましくなっちゃたヨ〜」
そうです、シンプルイズザベスト。
そしてyoutubeを見た、私の家族の反応は...
「こ、これだけ?」
「ドレス、ナシ?」
「まあ、あなたらしいと言えば、あなたらしいけど」
と、まさに目が点、点、点...
あー、もー、解ってないなあ、 「ニューヨークの粋」が。
(2010年11月)
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